天のや創業期
昭和2年、大阪北区曾根崎にて創業。
昭和7年、大阪の南(南区長堀橋)にフルーツパーラー日本橋ソーダファウンテンとして開業いたしました。
その後昭和19年3月大阪大空襲により焼失してしまい、数年後の昭和21年頃、空襲跡の焼野原に廃材を集めバラック建ての店舗にて甘味処「天野屋」として営業を再開。
当時、昭和29年後半ごろから昭和32年ころは神武景気などにより、宗右衛門町や道頓堀界隈は空前の賑わいを迎え、「メトロポリタン」「クラブミナミ」「キャバレーフジ」「有明」「オリエンタルソレイユ」「紫苑」といったダンスホールやキャバレーが乱立し、それにつれ、お茶屋置屋が数多くできました。次第に働く女性も増え、甘味処「天のや」も女性客の人気店となり、芝居見物や観劇などに一口サイズの「玉子サンドイッチ」(当時エッグサンド)が大変喜ばれました。
昭和46年に4階建てのビル「天のや」として新装オープンし、大阪で人気の甘味処として多数のメディアに取り上げられるようになりました。お弁当やサンドイッチ類など、軽食が人気メニューとなり、毎朝仕込むかつをと利尻昆布の出汁を使用したメニューに「すましぞうに」「お雑炊」「玉子サンド」(当時はエッグサンドと称した)が定番の人気メニューに。当時、大阪では宗右衛門町という場所柄、歌舞伎役者さんや文楽の人形使いの方また、大夫さんの他、芸人さん等からもご贔屓にして頂いておりました。
2002年「天のや」東京へ
平成14年9月に東京麻布十番へ店舗を移転。和の趣が心を落ち着かせ、ほっと息がこぼれるような空間をイメージした店内は、繁華街であった大阪の店舗とはまた違った路地裏という立地ですが、今では数多くの著名な方々に親しまれるようになり、ご利用いただいております。
ミシュランガイド東京
四季が明確な日本には多様で豊かな自然があり、そこで生まれた食文化には、四季折々の自然を大切にする日本人の気質と「食」に関する「習わし」が、その季節を反映した料理「和食」として表現されております。
また「和食」=「日本人の伝統的な食文化」と題して、2013年12月、ユネスコ無形文化遺産に登録され、ミシュランガイドでは2015年より、東京エリアのセレクションに「和食」に該当する料理カテゴリー(全22種)が初登場。これまで、フランス料理とイタリア料理の2つのカテゴリーだけが対象でしたが、2015年より新たに和食のカテゴリーが加わりました。
2015年、2016年、2017年、2018年、2019年、2020年、2021年、2022年と、8年連続で天のや夜メニューを「お好み焼き」のカテゴリーで評価して頂きました。
創業当時からの信念である、最良の材料を吟味し、永年の技術と真心をもって謹製致しております。
素材を活かした風雅な味を是非お楽しみください。
※「天のや」夜メニュー/お付きだし+お好み焼き+甘味